身体の声を聴く
左腕が上がらないんです。
もうずっと。2年ぐらい色んな所にかかりました。整形や整体、注射もしました。
その時は何となく軽くなったように思うんですが、すぐにまた同じように上がらなくなります。
そんなお話をして下さったお客様がみえました。
わたしのサロンのカルテには既往症や不調を記入する欄のあとに《それが解消したら何がしたいですか?》という質問があります。
このお客様は「もっと好きなことがしたいと思います」とおっしゃいました。
「例えば何がしたいですか?」
「何っていうか・・・好きなこともっとしたいなあと思って」
「今すぐにできそうですけど」と、わたしが言うと
「やる事がいっぱいなんです。仕事のことも家のことも。やらなきゃいけない事がいっぱいで」と話しはじめられました。
日常の様子と自分がやらないとあれもこれも色んな事が回っていかないとも話されました。
お身体の状態をみて施術をしていきますね。とお伝えし、リンパケアでお手当てをしていきました。
左腕はある所から引っかかるような感じで動きにくそうです。
リンパケアと筋肉をゆるめる手法(MRT= muscle.release.technic)を使いました。
施術中に、ふと、
「この左腕が思うように動いたら、やる事いっぱいとおっしゃった[やる事]をもっと増やしてしまいませんかね」ときいてみました。
お客様は、ハッとしたお顔になりました。
「いやあ、そんな…。でも、やっぱり」と口ごもられましたが、身体の方はまるで「そうだそうだ」というように反応をしていました。
「左腕が痛いお蔭で、自分を酷使している事に気づけてるんよ。これ以上抱えこまないで」
わたしはそんな風に感じました。
左腕がそう言っているように感じました。
「もっと好きなことがしたい」のに、治ったら「もっと酷使して抱えこんでしまう」
これでは矛盾が生じて、お身体は混乱してしまいます。
自分がやらないと色んな事全てが
回らない。
その思考の方を見つめることが、大切なのかもしれません。
お客様にそうお伝えしてみました。
「そんなこと言われたことがないから混乱します」とその方は素直に困られました。
身体の声を聴きながらお手当てをして、望み通りの毎日を送れると思うんです。
わたしずっと傍にいます。
《不調が解消したら何がしたいですか?》
この質問にスラスラと答えられる人は少ないんです。
答えが浮かぶまで、ゆっくりといろんなお話をしながら過ごします。
よくなったら何がしたい
というのは、《希望》です。
人はみんな希望があるから生きられると思ってるんです。
夜眠る時、明日のことを考えるのも希望
お庭の花が明日は咲くかなの希望
ある人の希望は一週間後のランチかもしれない。
またあの人に逢うことかもしれない。
サロンで話して下さる「この不調がすっきり良くなったら〇〇がしたい!」
わたしは、その希望を大切にしています。お客様のその希望はゴールです。ゴールなくして走りだせません。
身体の声を聴く
サロンではそんなことをしています。